新着CD 「光る砂漠」2014/01/01 07:12

光る砂漠 Columbia CG-3850
今年最初に聞いたのは萩原英彦さんの「光る砂漠」です。演奏は指揮:山田一雄、合唱:日本合唱協会、ピアノ:海江田尚子の各氏。1971年秋の芸術祭で優秀賞を受賞した、この曲も日本の合唱曲を代表する一曲と言っていいと思います。

う~ん、懐かしい。真っ青な空をバックにした黄色の砂漠のジャケットが印象的なLPの再発CDを手に入れました。LPも持ってはいるんだけど、プレーヤーが壊れたままでずっとずうっと聞いていなかったものなんです。

CDには記載されていないんでLPを見ないとわからないけど、録音はおそらく1975年頃。自分が買ったのが高校生のころなので、LPが出た直後ころだったと思うんだけど、この演奏には思い入れがありますね。多感だったころに聞いた録音というのは、何度も繰り返し聞いたこともあって、自分の中のスタンダードとなっていて、その後の東混京都エコーさんの録音、生での松原混声合唱団さん(記憶では指揮が関屋晋さん、ピアノが田中瑤子さん)の演奏も、日唱さんのこの演奏とどうしても比べて聞いていしまいます。自分の中ではこの演奏が一番の名演だなぁ。そしてそれ以上に高校時代の記憶が思い出されてきて、懐かしかったり、ちょっと恥ずかしかったりしてね。今の自分がとうに失くしてしまったものを思い出させてくれる、そんなCDでした。

トラック情報などはこちらをご覧ください。

新着CD [Pierre Villette: Motets]2014/01/25 07:59

[CDA67539] Pierre Villette: Motets
Villetteさんのモテット集を買ってみました。
Villetteさんの合唱曲を初めて聞いたのは30年以上前、まだ学生だったころに銀座の山野楽器で購入したLP「French Church Music Vol.I」(Abbey Records LBP-758)のなかにあった"Hymne à la Vierge"の録音でした。この曲を聴いてそのコーダ部分の和音の広がりが当時の自分にとってとても新鮮で美しいものに感じられて、楽譜が欲しいなぁと思ったのでした。でも当時はインターネットやWebというものは一般的ではなく、日本ではようやく大学や企業のコンピュータ関係の研究室で研究されはじめたころですから、Villetteさんのプロフィールや作品などを調べる手立てなんてありません。ヤマハの銀座店で調べてもらってもわからず、Music in Printにも載っていなかったと思います。それでも欲しくて、フランスの大手出版社のSalabert や Durand、Eschig などに手紙を書いて合唱のカタログを送ってもらいました。どの出版社も親切でしたねぇ。下手な英語にも関わらず、カタログを送ってくれましたよ。そのカタログを1ページずつ読むように眺めてDurandから出ていることを発見しました。"Adoro te"も同じ出版社だったので、Durandに頼みたかった楽譜をピックアップしてヤマハ銀座店に特注したのを覚えています。そのころはまさかVilletteさんの合唱作品でCD1枚作られるなんて思ってもいませんでした。
 で今回のCDですが、Holst Singers ですから下手なわけはありません。テンポもLPのものより少し早目ですっきりしたテンポになっています。というよりは飽きのこないようにというべきかもしれませんが。
 どの曲も美しい曲ですが、でも同じような曲調になってしまうのは大作曲家ではないという証になってしまうのでしょう。1曲聴くにはお勧めです。歌うのは楽しそうですから、いろんな作曲家のモテットのステージに入れるか、あるいは宗教曲を中心としたプログラムのアンコールにさらっと演奏するなんていうのもいいかもしれませんね。

収録曲一覧はこちらをご参照ください。