U boj (ウボイ)2023/02/19 10:23

日本で男声合唱をやったことのある、ある程度年齢のいった方ならおそらく誰でも知っている、また歌ったことのある方が多いU boj (ウボイ)ですが、原曲や歌詞には変転があります。

カワイ楽譜版グリークラブアルバム(1959年初版)では、以下のように解説されてます。

関西学院グリークラブの秘蔵の曲でしたが、戦後そのコピイが全国にながれてしまいました。邦語訳(正確に云えば作詞)で二種類出版されていますが、原語(といっても意味不明)で版になるのは初めてです。音符の上で、あまりにも明瞭なあやまりは修正しました。

そしてこの楽譜にはスロバキア民謡/福永陽一郎編曲とクレジットされています。

そして、カワイ出版になってからのグリークラブアルバム(いわゆる赤本)曲目解説では下記のように記載されています。

 関西学院グリークラブに、古く、1919年頃から伝わっていた名曲で、長く、門外不出の秘曲であった。のちに楽譜が流布されて、日本中の男声合唱団の愛唱曲となったが、原作者も歌詞の意味も不明なまま数十年の時が過ぎた。イヴァン・ザイツ作曲のオペラ「ニコラ・スビク・ズリンスキー」のフィナーレによったものが判明したのは1974年のことである。ここにのせられた歌詞は、フーゴ・バダリッチの作になるクロアチア語の正確なものである。(1979年第7刷[カワイ楽譜時代からの通算第18刷]より転載)

ザイツという作曲家の名前も初めて聞くもので、当然オリジナルのオペラなど知る由もありません。ザイツという作曲家もオペラもすでに忘れ去られてしまったいるのだろうなぁと勝手に思っていました。
今年の正月休み、ホームページの修正を行っていた時に何となく気になってググってみたら、youtubeで見られるではありませんか。
特に下記の演奏は2018年Zagrebでの演奏会形式のものです。
お国(クロアチア)では人気のある作品なのかもしれませんね。




====改訂履歴
2024/8/11
カワイ楽譜版の曲目紹介を追加して、一部文言を手直し。

ウクライナ侵攻 1年2023/02/24 22:25

ウクライナ侵攻が始まってから1年経ちました。
ムソルグスキーの展覧会の絵 終曲の「キエフの大門」がロシアではなくウクライナの都市だったなんて。それもキエフはロシア語で、ウクライナ語では「キーウ」というんだって。遠い国の話で知らないことがいっぱいありました。

テレビやラジオで関連する番組が放送されました。
自分が聞いたなかで、TBSラジオの荻上チキ Sessionにゲストで出演した金井真紀さんの言葉(入管法改悪に関する話として)「自分も、軍隊に入れば敵を殺せるようになるし、入管の職員になれば外国人を軽んじるのが当たり前になる。…人間は組織にいたらそうなってしまう生き物なんだ」

NHK R1 のジャーナルクロスで、キーウで被災者支援を行っているウクライナ人の方の話(日本でロシアレストランを開業している母娘がウクライナ人を雇って支援している話に対して)「すごくいい、うれしいエピソードだと感じますますが、一方で現地にいて毎日ミサイル攻撃があっていつ死ぬかわからない状況では、安全なところでウクライナ人と仲良くしたいという気持ちは軽いものと感じる。自分の命がいつ奪われるかという状況に置かれればまた違った意見が言えるようになるかもというのが本音」という話もありました。
思い言葉だなぁ。でも何もしないよりは、自分の頭で考えて、やりたいと思ったことをやるしかないのですね。
放送の抜粋だけではお話しされた方の真意が伝わらないので、ぜひ タイムフリー "荻上チキ Session"聞き逃しサービス "ジャーナルクロス" で全部を聞いてみてください。どちらも聞けるのは本放送から一週間までなので3/3までです。

さて、Silvestrovさんの"Prayer for the Ukraine" (ウクライナへの祈り)を聞きましょう。演奏はキーウの合唱団です。


出版はBelaieff。